車下取り査定ガイド

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i(アイ)の下取り相場と買取市場動向

      2014/11/12

 2003年のフランクフルトモーターショーに出品されて2006年に販売開始された軽自動車、それが「i(アイ)」です。開発自体は2001年から始まっていたと言われていますが、途中で2度の開発停止に陥るなどトラブルにも見舞われました。紆余曲折がありながらも最終的には市販化を実現。軽自動車の中でも革新的なスタイルが最大の特徴と言えるでしょう。

 リアミッドシップマウントのエンジンという時点でそれまでとは異なる雰囲気ですが、さらには卵のようなエクステリア、それでいて5ドアのボディ。居住空間もそれなりのものとなっています。「プレミアムスモール」というコセプトの下、居住性と衝突安全性、斬新なデザインの三つを統合して生み出された車種です。

 2013年にはeKシリーズのフルモデルチェンジに伴う軽自動車の集約化によって廃止が決定。現在は中古車市場でしか手に入らないモデルとなっています。登場から一度もフルモデルチェンジは行われず、一代限りで歴史に幕を下ろしました。

 基本的な仕様は5ドアで660cc、4名定員、4ATという点は全て共通しているのですが、駆動方式はMR及び4WDの設定があります。さらにはターボエンジン搭載モデルや自然吸気エンジンモデル、7インチのワイドディスプレイ装備モデルなど装備が細分化されているのも特徴でしょうか。

 また、軽自動車ではあるのですがミッドシップという事もあり、走行性はとても安定しています。燃費性能は最も高いもので19.0km/Lでした。グレードですが、一番安いモデルで122万円、一番高いモデルで160万円となっています。

 軽自動車という実用性とエンジンをミッドシップしたレイアウトという個性、二つが両立しているiですが、それなりのリセールバリューを持っているようです。特に最大の特徴であるデザインが武器となり、そこに惹かれるユーザーが多い様なのです。また、新車価格がやや高めに設定されていましたから、中古車で欲しいという人もいるでしょう。

 加えて走行性能や静粛性に優れており、居住性も一定のものを確保しています。ちょっと他とは違う車に乗りたい、といった層からも支持されやすいと言え、実用性と個性の両面からアピール出来るでしょう。上位グレードであれば好条件となるでしょうね。

 一方で、既に廃止されていますから今後は価値が下がる傾向にあるでしょう。希少性という点では確かにそうですが、中古車でそれなりの台数が出回っていますから希少な車とは言い難いのです。内外装ともに美車で走行距離が浅いなど、条件が良ければ希少性も上がるとは思いますが、i自体の価値で言えば上がっていくことは考えにくいですね。ということで、できるだけ状態の良いうちに手放した方が良さそうです。

 綺麗な状態の方が高く売れるのは言うまでも無いのですが、傷ばかりですとせっかくの可愛らしいボディの評判も低くなってしまいますのでまずは状態が問われます。走行距離ももちろん大事な部分ですが、ナビも査定が良いようですね。エアロパーツなどはあまり査定には影響しないでしょう。一方ホイールに関しては案外良い評価を得られるようです。これはiがミッドシップという事もある、走行性の良い軽自動車を求めている方にとっても魅力的な一台だからなのでしょう。

 基本的には良い状態、条件のものならばそれなりですが、それ以外のiに関してはあまり期待できないでしょう。確かに革新的なデザインではありますが、それ以外の面は他の軽自動車より突出しているわけでもありません。なお、電気自動車の派生車種「i-MiEV」は引き続き生産されますが、こちらは数が少なすぎるためにあまり査定情報がないようです。新車価格も高額ですし、使い勝手を考慮するとまだ急激に普及することは考えにくいでしょうね。

 - 三菱車の買取相場