車下取り査定ガイド

車を高く売る方法や日常的なメンテナンス、カスタムパーツが買取価格に与える影響など査定を受ける前に知っておきたいこと。

買取専門店は下取りより得か?

   

 数年前までは、新しく車を購入する場合、今まで乗っていたクルマを下取りに出すケースがほとんどだったはず。中には知り合い等、口コミに頼って譲ったり、転売したりする事もまれではあるが、ある程度だ。それが、中古車市場が、新車販売低迷の中、活況をおびてきて、深刻な玉不足に陥り始め、積極的に中古車店単体でも買取を初め、「高価買取」の看板が目立ち始めた。

 今では大手チェーン店が乱立し、TV、雑誌、WEB等でCMが多く流れている。そして、「下取りより買取」の風潮が定着してきて、実際、買取店にて売却を決め手から、あるいは売却を前提に、新車ディーラーに赴くケースも増えてきた。

 では、実際に下取りよりも高く買ってくれるのかという疑問がある。最終的には中古車店の店頭に適正な価格で並ぶ同じクルマが、どうして違う仕入れ価格になるのか。

 まず、新車販売ディーラーではその地区ごとに決められた「査定表」がある。毎月更新される冊子タイプで、これが査定されるクルマの基本価格になり、査定するスタッフは、それを基に加点、減点を加えていく。キズ、走行距離、等の減点要素が主で、加点要素はあまりない。

 買取店でも細かいシステムの差はあっても、基本は同じはず。車種、年式、による基本データがそれだ。そこに全国のオークション価格のデータ、市場での実際の販売価格等も考慮するだろう。そして、店舗スタッフは車検証を確認し、はクルマを実際に調べて本部へ報告するだけで、自ら価格は出さず、ひたすら答えを待つだけ。やってることは同じなのだが、新車販売ディーラーでは店舗にて価格を提示するのに対して、多くの買取チェーン店では、本部サイドで決定するという事。

 そして、社外品のパーツ等の加点要素が多い事が違う。新車販売店での査定は、あくまで新車の状態を基本とし、それ以外、例え何十万もの社外オーディオが付いていても、数千円の加点か、標準パーツが外され、処分されていたら、減点される事さえある。しかし、買取専門店では、より現実的に、社外品であっても価値があると判断すれば大きく加点してもらえる。

 こうして、下取り価格と買取価格の差が出てくるのだが、相対的に「買取専門店」のほうが高く買い取る結果が見えてくるのだが、実際にユーザーが得するのは「買取専門店」で、ディーラーの下取りは損だからやめた方がいい、とはならない。事実、下取りに入れて満足している方も大勢いらっしゃる。

 それは、クルマの様々な条件によるからだ。「買取専門店」においては、買い取ったクルマを転売、あるいは直販で売り利益を上げている。つまり、高く売れて利益が出るクルマは当然高く買う。人気のあるクルマや、程度の良いクルマ、高年式、高価格車など、単価の高いクルマなどだ。反面、低年式、不人気車は欲しくないから高い価格は当然付けられないはず。それでもグループが大きくなると、数をさばいていかなくてはならないので、ある程度の価格は出す。評判などのイメージもあるからだ。「どんなクルマでも・・」という評判があれば、儲かるクルマも入ってくる。しかし、商売上うれしくはない。大組織だからこそ出来る事だ。

 もっとわかりやすいのが、チェーン店ではなく、独立店の場合。今現に引き合いのある車種の買取依頼があれば、即答で高値を提示してくれて、その場で現金払いもありうる。これっが最強かもしれない。あとは、車種を限った専門店。SUVやスポーツカー、輸入車などだ。もっと細かく、「ランドクルーザー」とか「GT?R」「クラウン」といった人気車の専門店。その車種であれば、ディーラーよりもチェーン店よりもいい値段で買ってくれるはず。

 じゃあそんなクルマでもないし、程度もいいとはいえないクルマを所有している場合はというと、新車ディーラーの下取りだ。たとえ転売できそうに無いクルマ、不人気車だとしても大丈夫。新車を売るための下取りだから、査定価格が無くても値引き価格として上乗せしたり、メーカーから補助金がでたりする。不人気車も、そのメーカー系列のディーラーであれば、絶対よそより高く下取るはず。そうやって中古車の値崩れを防ぐ方法をとることもある。

 自分のクルマがどんな価値があるのか、なにが原因で価値がないのか、同じ100万円だったとしても、車種、使用状態、景気、で様々な価格に変化する。自分は、一円でも高く売りたいのか、新車を買う費用を少しでも抑えたいのか。査定価格、買取価格と分けずに、トータルで考える必要がある。

 - 買取・下取りの基本と高く売るコツ